【失恋体験】「ちょっと今から告白してくる」〜20年越しの純愛物語〜

僕の初恋体験は隣の席の”K”さん

小学校時代、僕は地味な生徒だったと思います。仲が良かった友達といえば、帰りの方向が一緒だった男子1人ぐらいで、特に特技があるわけではなく、成績も普通、脚が速いわけでもない、内気な子供でした。
中学も地元の私立に入学し、数少ない友達と一緒に遊んだり、ときどき勉強したりと、そんなに目立つこともなく、普通の中学生活を送りました。そんな僕にも人生が変わる転機が訪れます。

思春期です。

男性なら早くて小学校高学年、遅くても高校1年生のときに思春期は訪れるそうです。僕の場合、統計的に一番多いであろう中学二年生の春に、それは訪れました。そんな思春期絶頂期に体験した初恋は、隣の席にいた”K”さんでした。

スポンサードリンク

一目惚れって突然のことのようで必然の体験です

中学二年生の新学期、僕はこの時期が苦手でした。なぜなら、クラス替えがあるからです。一年かけてやっと仲良くなれたと思ったのに、離ればなれになって、また誰も知らない敵地に放り出される。
コミュニケーションが苦手な僕にとって、近くの席の人と話すことはスカイツリー並みにハードルが高く、友達を一人作るのにも一苦労。
特に、女性とは一切話すことはできませんでした。

なんというか、性別が違うというだけで、自分とは全く違う異世界の人みたいに思えてしまい、どう接したらいいかわからず、女性から話しかけられても「うん」とか「そうだよ」とか、単調な返答しかできなかったのです。

でも決して、女性に興味がないわけではありません。それよりもむしろ、モテたいという気持ちは人一倍強かったように思います。
今振り返ると、単に良く見られたいがために、クールを装って、カッコをつけていただけなのかもしれません。
思春期の男子あるあるですが、急に女性を意識して、スポーツ刈りから、雑誌に載っているような今風の髪型に変えてみたり、香水等を急につけるようになったり…僕はまさに典型的なそれで、新学期初日から新しいクラスで一人、席に座り、断固寡黙でクールなキャラを演じていました。

そんなとき、僕の隣に颯爽と一人の女性が座りました。クールな自分を崩さないために、遠くを見るような細い目で隣を見ました。彼女は、中学生には似つかない茶髪で、小柄で顔が小さく、目が真ん丸でクリクリしていて、どちらかというとギャル系初期の雰囲気を醸し出しているような女の子…まさに僕のドタイプでした。これまで取り繕っていたクールさは一瞬にして崩壊すると同時に、僕はKさんに一目惚れしました。初めての体験です。

思春期にありがち!?カッコつけすぎて嫌われた。。。

この頃の僕は、彼女に会うために学校に行っていたようなものです。
この頃から、Kさんから写る自分の姿が気になって、朝シャン(朝、シャンプーで髪を洗うこと)して寝癖を直し、校則範囲内で一番似合うであろう髪型に整えたり、はじめて洗顔してみたり…僕は、Kさんのことを物凄く意識するようになっていました。

ですが、肝心の会話はというと、やっぱり、ほぼゼロ。人は性格まで急に変えることはできません。
ときどき、Kさんから「ねえねえ、教科書見せて」とか、「次の授業なんだっけ?」とか聞かれていましたが、僕は「嫌だ」とか「知らない」など、無愛想極まりない返答を繰り返すだけ。本当は話したいのだけれど、なんとなく、彼女からの視線を意識しすぎるあまり、一言返事になっていました。それがクールでカッコいいと思っていたのかもしれません。

しかし、そんな思いとは裏腹に、僕は彼女から一線を引かれることとなります。Kさんは次第に僕に話しかけなくなり、後ろの席の女子と「ねえねえ、あの人、いつも暗くてキモくない?」と話すのが日常化していました。僕は、彼女から言われた「キモい」という言葉がショックで、学校に行くのが嫌で嫌で仕方ありませんでしたが、そんなこと言われても、Kさんのことはずっと気になっていました。思春期にありがちな、カッコつけすぎて嫌われた体験です。

スポンサードリンク

Kさんから急接近!??

そんなあるとき、隣の人とペアを組んで、数学の問題を解き合うという授業がありました。良くも悪くも、僕の学校は席替えというものがなかったので、Kさんは僕の隣に俄然と座り続けていました。

気持ちは超複雑です。

気になっているKさんと話せるチャンスですが、「キモい」という言葉が引っかかっていて…何を話そうにもすごい困惑してしまいます…たぶん、このときの僕はすごい挙動不審だったのだろうと思います。

そんな様子を見てか、Kさんは久しぶりに僕に話しかけてきました。
「ねえねえ、問題解かないの?」

僕はいつものように答えました。
「いい。一人でやる。」

本当は、一緒に解きたいし、もっと話したい…けれど、「キモイ」という言葉がやっぱり頭の中をうろついていて、「どうせ、キモイ僕なんかと話したくないんだろ?」とか、ネガティブオンパレードな言葉を頭に並べていました。話したいけれど、接し方がわからないし、「キモイ」が壁をつくってしまう。いろいろな欲望と疑問と嫌悪が織り交ざって、心の中は、紫に近い黒色のようなドス黒さで埋め尽くされていました。

そんなときです。
「ねえ、なんでいつもそんなに無視するの?」

僕は驚きました。なぜなら、彼女は怒っていたからです。
もし、僕のことを「キモイ」と思ってるなら、僕が一人で問題を解くことは好都合なはずです。

Kさん「なんで、そんなに怖い顔をしているの?」
僕「いや、怖い顔してない」
Kさん「なんでいつも無視するの?」
僕「いや、無視はしてない。」
Kさん「けど、いつも”うん”とか”いや”とかそんな返事しかしないじゃん」
僕「してない。」
Kさん「ほら、いまもした!」
僕「してない・・・」

僕がそう答えると、彼女は一瞬の沈黙を置き、こう言いました。

「あのさ、もっとちゃんと話そうよ。カッコいいんだから…」

僕は、ドキッとしました。カッコいい?いや、キモいんじゃなかったの?カッコいいってどういうこと?そのままの意味?バカにしてるのかな?でも今の言い方だと本気っぽいような・・・

いろんな考えが頭の中を錯綜し、何をどう返答したら良いのかわかりませんでしたが、こんなときの男の心境って単純なもので、Kさんの一言で僕は、本気で好きになってしまいました。

そして、その一言で、僕の心の中にあったドス黒い煙幕は洗い流され、汚れひとつない真っ白なシャツのように晴れやかな気持ちになりました。僕はこのとき、人生で初めて女性とゆっくり、長く、お話しすることができました。無我夢中で話したせいか、このときの会話の内容は全く覚えていません。

でも、僕の心に一番残っているのは、屈託のない、彼女の満面の笑顔でした。

Kさんの笑顔が見たい!と願う、コミュ障な僕。

それからの日々はとても清々しいものでした。全てのものが僕を後押ししているような、何者も僕止めることなどないような、そんな毎日でした。
彼女の存在だけで、僕の世界はどんどん明るくなり、性格もとても前向きになりました。
内気でコミュニケーションが苦手だった僕にも友達が増え、気付けば多くの友人に囲まれていました。

それもこれも、彼女が見せた、くしゃくしゃな笑顔のおかげです。

また笑ってほしい。

夜眠る前は、次の日どんな会話をすればまたうまく話すことができるのか、どうすれば彼女がまた笑ってくれるのかを、必死に考えました。

Kさんへの「おはよう!」から始まり、「1時間目なんだっけ?」と喋りかけて、朝のホームルームが始まるまで会話したり、休み時間は隙を見計らっては彼女に話しかけたり。

そんな努力の甲斐あってか、向こうからも話をしてくれるようになりました。
「好きな曲ってある?」「いや、ないかな。好きな曲あるの?」「うん。わたしね、この曲が好きなんだ。まだ、誰にも言ったことないけど、教えてあげる!」そう言って彼女はガラケーを取り出し、イヤホンをつけました。
片方のイヤホンを僕の右耳に、もう片方は彼女の左耳に装着し、肩を寄せながら、曲を聞きました。
誰も知らない彼女の好きな曲を知れたという喜び、そして彼女がこんなに近い距離にいることによる緊張で、その曲が良いのか、悪いのかなんてことは、もう僕の頭では処理できなくなっていました。

長距離でも走った直後のように、僕の胸の鼓動が激しく波打ち、彼女に聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい大きな音を立てていました。

彼女とはいろいろなことを話しました。好きな音楽の話、好きな食べ物の話、好きなスポーツの話…僕は彼女にどんどん惹かれていきました

スポンサードリンク

告白する勇気…卒業式でふたりっきりに…

中学3年生の春といえば、卒業のシーズンです。僕は3年生になっても奇跡的にまたKさんと隣の席になり、変わらぬ毎日を過ごしていました。

この頃になると、周りの友達からも「ヒュ~ヒュ~」的な感じで煽られて、「そんなんじゃねーよ!」みたいなお決まりのセリフもはいていたりしました。
友達に好きな人がバレたくなかったので、2年間ずっと気取ってはいたのですが、卒業となると話は別です。僕は隣町の高校へ進学予定でしたが、Kさんは県外の女子校に入学することが決まっていました。いつものように「おはよう!」と言ったり、何気ない会話もできなくなります。

もしかしたら、もう会えなくなるかもしれません。

だから僕は、ある決意をしていました。「Kさんに告白しよう」。

卒業式が終わり、最後のホームルームのため、一度教室に戻りました。担任の先生のありがたい話を聞いて、皆で写真を取り合った後、クラスは解散。
僕はすぐにKさんに話しかけました。

僕「2年間ありがとう。」
Kさん「私こそ、ありがとう。」

僕は、緊張していました。
心の中でもう一人の自分が叫びます。「告白しろ!」僕は告白するための手順を考えていました。

ホームルームが終わり、彼女に話しかけ、廊下の隅に行って、そこで2年間の想いを伝えるという作戦です。

僕は言いました。
「なあ、ちょっと時間ある?少し二人で話さない?」

彼女は答えました。「いいよ。」

僕は教室を出て、廊下の隅に彼女を連れて行きました。「告白しろ!」本当に心臓が飛び出るかというぐらい、鼓動が大きく聞こえて、まるで昔の自分に戻ったみたいに言葉がタジタジになりながら、話し始めました。

「Kさんとは、2年間隣の席だったし、一番お世話になったからお礼が言いたくてさ。」
「私こそだよ。ありがとう、2年間。」

告白しろ!

「いや、こちらこそありがとう。それに、今日はKさんに言いたいことがあって…」

告白しろ!

「なに?」

告白しろ!

「いや、あの…」

告白しろ!!

もう一人の僕が、心の中で叫び続けます。わかっています。今、言わないと、もしかしたらもう、会うこともないかもしれないし、こんなチャンスは二度と訪れないかもしれなません。
今、言わなくて、いつ言う?。男なら、ここでハッキリ「好きだ」と告白すべき

心の中ではわかっていました。僕は彼女のことが好きで、彼女と付き合いたい。彼女の笑顔や仕草、話し方や歩き方など、全てが好きで、付き合ってもっと彼女のことを知りたい。

だから、言いたい。「好き」だと、、、

僕は自分にそう言い聞かせながら、告白の言葉を探していました。僕は彼女に言いました。
「卒アルの寄せ書きのところにメッセージ書いてくれない?」

ただの時間稼ぎのつもりでした。どんな言葉で切り出したら良いのだろう?どのように告白すればうまくいくんだろう?そんなことを考える時間はそこまで多くはありませんでした。「もちろん、いいよ!」と、彼女は僕の卒アルを手に取り、「2年間ありがとう。楽しかった。」と書いて、僕に渡しました。

彼女は僕に尋ねます。
「言いたいことってこれだけ?」

僕は心の中で叫びます。
「いや、違う。僕はあなたが好きなんです。」

ですが、やはり、もともと奥手な僕は、気持ちとは裏腹に、こう言ってしまいます。

「うん。それだけ。」

彼女は僕の言葉を聞いて、少し遠くを見る目をしていましたが、その後小さく手を振り、「バイバイ」と言いながら、僕の前から走っていきました。結局、僕はこの日、Kさんに告白することはできませんでした。

高校3年間、Kさんに片思い。

僕とKさんは、別々の高校に入学しました。僕は隣町の男子校で、Kさんは県外の女子校です。

僕は高校に入学してからもずっとKさんのことが好きでした。
卒業式の日、告白する勇気がなかった自分が嫌で、ずっと後悔していました。

その想いを3年間続けたある日、僕はたまたまバスの中で中学時代の友人と会いました。
彼は、中学3年生のとき、僕の後ろの席にいた男で、名前はSくんです。

久しぶりに会えば過去の話に花が咲くもので、中学時代の思い出で盛り上がりました。僕はSくんに言います。「実は俺、中学のとき、Kさんが好きだったんよね。」Sくんは驚いたように答えました。「マジで?全然わからんかったわ!俺、KさんのLINE知ってるよ!」

僕はスマホを持っていませんでした。
中、高校生のときはスマホを買わない親の教育方針だったため、今時ではありますが、誰の連絡先も知りませんでした。

僕は、Sくんに聞きました。「Kさんに連絡とれる?」「中学卒業して、全然連絡してないけど、たぶんとれると思う!」「なら、ちょっとお願いがあるんだけど…」

僕は、SくんからKさんに連絡してもらうことを考えました。僕は全てSくんに正直に話しました。中学時代、Kさんが好きだったこと。中学の卒業式の日、告白する勇気がなかったことに今でも後悔していること。その悔いだけは、ずっと心残りで、今でもずっとKさんのことが好きだということを。「Kさんに会いたい。だけど僕ではKさんに連絡できない。だから、代わりに連絡をとってくれないか?」Sくんは僕の頼みを快く承諾してくれました。

スポンサードリンク

失恋。LINEで告白し、無事死亡。。。

Sくんに頼んでから3日目の朝、Kさんから返信が来たことを聞きました。

結果は…「会えない」でした。

Sくんは理由を教えてくれませんでした。そんなに酷い内容だったのか、それとも別に理由があるのか…なんにしても、会えないという事実だけが僕の胸に突き刺さりました。

僕はSくんに再度、頼みました。「LINEで僕の気持ちを伝えてほしい。」僕の強い熱意にSくんはしぶしぶ承諾してくれました。
僕は3日間、一生懸命、メールの文章を考えました。なんせ、スマホを持っていない僕にとってLINEをするのは初めてのことで、初LINEが初告白という人類史上初であろう経験だったからです。どんな言葉を書けばいいんだろう…悩みに悩んだ挙句、僕は、ストレートに気持ちをぶつけることにしました。

僕が考えた文章を、Sくんに見せ、LINEの画面に書いてもらいました。
「僕が送信ボタンを押す!」そう言って僕はSくんからスマホを借りて、10分ぐらいかけながら、クリックしました。

…だけど、ちょっとモヤモヤがのこります。確かにLINEは気軽でいいのですが、本当に告白を気軽に済ませても良いものなのだろうか…ですが、会えない以上、こういった手段で伝えるしかありません。僕は、Kさんからの返信を心待ちにしました。

次の日の朝、Kさんから返事が返ってきていました。僕はあのとき、廊下で告白しようとしたときのことを思い出しながら、、LINEを見せてもらいました。その画面には一言、「無理」とだけ書かれていました。初めての失恋体験です。

後悔。失恋がこんなに辛いなんて思わなかった。

なぜ、中学校の卒業式の日に勇気を出して告白しなかったのか…なぜ、友人のLINEで告白してしまったのか…なぜ、直接会って告白できるまで待てなかったのか…。

後悔だけが残っています。

僕には彼女に直接、告白する勇気がありませんでした。だから、友人に間接的に伝えてもらうという方法しか取れませんでした。やっぱり、性格が明るくなろうとも、根本は内気でコミュニケーションが苦手なままだったのでしょうか。それとも、明るくなっても、僕にとってKさんは手の届かない存在だったのでしょうか?

いろんな感情に収集をつけることができなかった僕は、振られた後、夜中に山を登り、山頂のベンチに座って大声で泣きました。

失恋とは、こんなにも辛いものなんだということを、僕はこの時初めて知りました。中学時代、彼女と話した会話の内容や、僕が冗談で言ったことに笑ってくれた笑顔など、本当にいろいろなことが頭の奥で蘇り、彼女の笑顔やしぐさをもう、一生見れないんだと思うと、嫌で、苦しくて、涙が止まりませんでした。

あの中学時代は夢だったのか…彼女の表情やクセがよりリアルに鮮明に記憶に残っていて、それが、頭から離れることなく、僕を幾度となく襲ってきました。
本当に、もう、この苦しみから抜け出すためなら死んでもいいんじゃないかと考えたこともありました。考えれば考えるほど、あの卒業アルバムに寄せ書きし終わった後に、小さく手を振りながら「バイバイ」と言って走り去って行った彼女が目の奥に蘇ってきます。

何を考えても、「後悔」の2文字しか浮かんできませんでした。

スポンサードリンク

後々聞いた話だと、、、なるほど。。

後ほど友人伝いに聞いた話なのですが、、、彼女がなぜ「無理」だったのかというと、「今さらなによ!」と、逆上に近い感情だったのだそうです。
Kさんも中学時代、僕のことが好きだったようで、僕のことをずっと気にしてくれていたようなのです。それなのに初めのころの僕が冷たい態度をとり続けていたこと、そしてなんとなく友達に気づかれたくないからあえて「キモい」と言ってたという、女心のようなものもあったみたいです。

けれど、彼女も数学の時間、チャンスだと思って僕に話しかけ、それでも僕がいつものような返事しかしないから、彼女は痺れを切らして、怒ってしまったのだそうです。

それから、彼女は僕と過ごした2年間は幸せだったと言ってくれていました。
彼女は彼女なりに、僕にアプローチしていたみたいですが、僕は全く気づきませんでした。

Kさんは僕のためにいろいろ尽くしてくれていたみたいです。思い出もたくさんあります。おしゃべりに夢中になりすぎて一緒に先生から怒られたりもしたし、休み時間はいつもくだらないおしゃべりをして、ときどき喧嘩して、そのたび仲直りして。

文化祭の準備をしているときに、立て看板を二人で絵を描いていて、こっそり、隅っこに二人だけしかわからない暗号文を書いたりして…。その暗号文は、「ずっと学校にいたい」って意味で、今思うと、彼女は僕のことを好きでいてくれていたから…付き合ってはいないけれど、大好きな人だと思ってくれていたから、唯一、僕と会える”学校”という場所が好きで…彼女と僕は間違いなく両想いの、登校のチャイムから、帰りのベルが鳴り終わるまでの時間指定つきの”カップル”だったのです。

そんな僕たちでしたが、彼女はずっと、僕からの告白を待ってくれていたようです。ですが、僕が弱いから、結局、卒業式の日も告白できず、彼女は、「私のことを女性として見てくれていなかったんだ」と、ガッカリしたそうです。

両想いのときってなんとなく、雰囲気でわかるような気がするんです…僕が感じていた幸せの感覚は、間違っていなくて、単に僕に勇気がなかったというだけで…。卒業というのは彼女にとっては、もう、登校のチャイムが鳴らないということ…つまり、学校カップルの終りだということです。卒業式の日が唯一、最後に残された学校カップルから、普通のカップルになるチャンスで、その機会を、僕はミスミス逃してしまいました。

彼女も僕も、勇気がなかったのです。僕が卒業式の日に告白できなかったのと同じように、彼女も告白できなかったらしくて…。それでも彼女は、高校に進学しても、2年間、僕のことをずっと想ってくれていたみたいでした。

本当にずっと、好きでいてくれていたみたいでした…。

連絡を取ろうと思ったらできたはずです。ただ、お互い、「ダメなんだろうな」と決めつけしまっていたのです。Kさんは友達にずっと、こんなことを相談していたみたいです。
こんな失恋を体験するぐらいなら、こんなに後悔するぐらいなら、、、

僕はある決意をしました。

ちょっと、今から告白してきます

僕は、高校を卒業して、普通の大学に進学し普通に講義を受けて、普通にバイトをして、THE普通人生を謳歌しています。
そして僕は現在、20歳の大学2年生です。振られてからもずっと、彼女のことが好きでした。確かにフラれたときはショックだったけれど、僕は彼女のおかげで、性格を明るくすることができて、友達もできて…彼女がいなければ、今の僕はないこともわかっています。

だから、感謝しています。できることなら、大学生になった僕の姿を見てほしいし、ちょっと大人になったから、大人の会話的なこともしてみたい。もう、あんな後悔は絶対にしたくありません。気持ちは伝わらなければ意味がありません。僕はもう、同じ過ちは繰り返しません。

ところで、、、僕は今、ある女性に告白しようとしています。今度は直接会って、自分の気持ちを伝えようと思います。僕は、気合をいれすぎてしまい、集合時間の3時間前に、着いてしまいました。今日は、同窓会です。

この記事を書いた理由は、決意表明と、Kさんへの想いをまとめてモチベーションをアップさせるためです。僕は20年間、女性と付き合った経験がありません。今回の告白が成功すれば、僕は生まれて初めて、女性とお付き合いします。

学校カップル…確かにそれは、僕とKさんにとっては素敵な思い出で、まるでシンデレラストーリーのような純愛でした。でも、考えてみてください。人間、いつかは必ず死にます。今の平均寿命は約80歳ですが、僕は今、20歳で、残りたった60年しかありません。僕とKさんは中学時代、校舎にいるときだけカップルのように過ごしていましたが、もし、今の僕の告白が成功しても、それは、60年という限定時間つきのカップルだということです。

もし、もしもですよ?
明日、確実に死ぬとわかっていたらどうしますか?もちろん、告白するでしょう?
では、1ヶ月後に死ぬとわかっていたら?告白しますよね。では、1年後だったら?10年後だったら?60年後だったら?

60年後だったらまだ、時間があるかいらいいやって考えますか?いや、違います。学校カップルも人生のカップルも同じです。どちらも、時間は限定されています。

だから、僕はもう迷いません。ちゃんと気持ちを伝えます。
60年という少ない時間を僕はあの女性と過ごしたいと考えています。どうしてもです。もう、絶対に後悔はしたくありません。

めちゃくちゃ緊張しています。心臓が張り裂けそうです。怖いです。僕の気持ちを受け止めてくれるか怖いです。もしかしたら、「キモい」とか「無理」とかまた言われそうで…けれど、僕は今度こそは、ちゃんと面と向かて告白します。もう、絶対に大切な人を失いたくありません。Kさんとの失恋経験が僕にそう、教えてくれています。

落ち着いてきたので、そろそろ行こうかな。

「ちょっと、今から告白してきます。」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)